登山のあらまし
と き・・・・昭和57年7月27日(火)〜8月1日(日)
コ−ス・・・・神戸=JR有明=中房温泉登山口〜燕岳〜大天井岳〜西岳〜槍が岳〜槍沢〜徳沢〜上高地=JR松本=神戸
メンバ-・・・・家族5人(子供たち:高1、中1、小4)
7月28日(水) うす曇り
JR有明からバスに揺られて1時間20分、山深い中房温泉に着き気合を入れて早速登りにかかる。途中第1ベンチ、第2ベンチと呼ばれる休憩地点で小休止を
とりながらぐんぐんと高度を稼いでゆく。
登山の起点 中房温泉登山口
合戦小屋を過ぎ樹林の背丈も徐々に低くなり、遠く彼方に目指す槍が岳の穂先が見え隠れしてくる。随分遠くだ。予定ではあさってには
登れるだろう。稜線まではもうひと頑張り・・・。
燕岳への登山道から遠くに見え隠れする槍が岳
7月29日(水)曇り 台風の影響で風が強くなる
雲海と黒い雲間から出てきたご来光もすぐに雲に隠れてしまう。風は冷たくかなり寒い。気温は10℃を割っているもよう。
燕山荘前で迎えるご来光
ガスの切れ間に写真を1枚。快適な山の1夜の宿に礼を言って視界の悪くなった縦走路を出発する。
コマクサやミヤマオダマキ、イワツメクサ、アオノツガザクラなどの高山植物たちも強い風にフラフラだ。台風の進路と速度が気になる。
大天井ヒュッテ前で休憩しながらラジオの気象通報から天気図を作図して確認しておこう。9号、10号共に進路は西北西から変わっていない。
2〜3日は大丈夫と判断し進むこととする。
燕山荘の朝 出発前
比較的なだらかなこの縦走コースにあって西岳の手前あたりはややきつい。
白ペンキの○に従い踏み外さないように気をつけながら進む。天候はやや回復気味に青空も出てきた。
縦走路の悪場 ○印に従い前進
今日はここ西岳まで。ここは水がなく小屋の水は完全に雨水が頼りだ。
小屋の前から眺める槍が岳も随分と近づいた。明日はいよいよ東鎌尾根をたどり槍のてっぺんを目指す。
かなり近づいてきた槍が岳 明日はあのてっぺんだ 西岳より
7月30日(木)うす曇り 風無くなる
いよいよ今日は槍が岳登頂を目指す日だ。西岳の小屋を6時20分に出発、水俣乗越までの急な下りを慎重に通過。東鎌尾根に付けられた3段続く長い鉄梯子を登り、ぐんぐんと迫って行く。
ヒュッテ大槍を過ぎ、尾根の腹をトラバースしながら進み、殺生小屋に着く。小屋の近くに荷物を置き、小さなザックに水筒とサポートロープ、行動食を詰めいよいよ槍の登りだ。肩の小屋
からは今までのコースには無い岩場の登りであり、両手・両足の3点確保で慎重に慎重に登って行く。大人の歩幅でつけられた足場が、小さな子供には届かずに苦労する。ぴったり背後から足元を支えてやりながらの
登りである。この分だと下りのほうがもっと大変そうだ。スッパリ切れ落ちた岩場に付けられたコースから外れないように登る。
槍が岳の登りはスッパリ切れ落ちた岩場のルートを慎重に
やった!槍の頂上だ。標高3180m、360度の視界にさえぎるものは何も無い。
かなり狭い槍が岳頂上
小4の子供には最後の足場が悪すぎるため5m下のテラス状のところで待機。次回に残しておくこととなる。
下りも母さんがトップを務め、高一・中一の子供達がつづき、その後からロープでくくりつけた小4の子供を父さんが確保しながらつづき、さらに慎重に下って行く。
肩の小屋からの往復2時間を費やした槍が岳登頂も無事槍のてっぺんをきわめて登り終わる。
小4の子供には頂上直下の巻き込みは無理 5m手前のテラス迄
殺生小屋近くにデポしておいた荷物を担ぎ、槍沢の長い長い下りに向かう。今夜は槍沢ヒュッテ泊まり。予想していなかった風呂にも入れ大満足の一夜を過ごす。
槍沢の下りも結構長くてきつい 膝の負担も大きい
昨夜の槍沢ヒュッテですっかり元気をとりもどしたためか、足取りも軽やかだ。
やっと下り着くとすぐに元気は回復 横尾付近
横尾・徳沢・明神を経て上高地に下り、田代池・大正池まで足を伸ばす。
タクシーを拾い乗った途端にバケツをひっくり返したような土砂降りの雨に、今回のツキに感謝しながら帰神の途につく。
上高地 田代池はいつ訪れても静かなところだ
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