家族登山(シリ−ズNO.3)

大杉谷

と き・・・・昭和59年8月16日(木)〜8月18日(土)
コ−ス・・・・神戸=近鉄大和上市=大台ケ原山頂〜大台ケ原散策コース〜日出が岳〜大杉谷下降(堂倉滝 〜隠れ滝〜光滝〜七ツ釜の滝〜桃の木小屋〜獅子が淵〜千尋滝〜宮川ダム湖乗船場〜大杉 =帰神

メンバ-・・・・家族5人(子供たち:高3、中3、小6)

登山のあらまし

8月16日(木)晴


明日の大杉谷下降に先立ち、今日は山上が岳周遊コースを散策する。日本でも有数の降雨地域であり、 その恵の雨を存分に受けて育つ原生林が素晴らしい。だが、近年の酸性雨の影響も深刻で、大切な原生林も 枯れ木が目立ちはじめているという。さらに追い討ちをかけるように最近では鹿が木の皮を食料にするため、 立ち枯れの木々が目立つとのこと。自然破壊は予想もしていないところで予想以上の速さで進んでいるようだ。 この青々とした原生林が赤茶けた禿山に変わってしまうのだろうか?
大台山上周遊コースにて



8月17日(金)晴

今日はいよいよ大杉谷の下降だ。「関西の黒部」の名にふさわしい醍醐味あふれる渓谷を満喫してゆこう。 日出が岳から尾根沿いにシャクナゲ坂を一気に下れば、大杉谷本流に懸かる”堂倉の滝”に降り立つ。碧々と 蓄える滝壷の水がすがすがしい。青というより緑っぽい感すらしてくる。
堂倉の滝



冷たい・・・。竿を出してみると 7〜8センチのウグイらしき渓流魚がすぐにかかってくる。「元気に育て」と放してやりながら、この自然は 決して無くしてはいけないとつくづく感じる。 
堂倉の滝壷の澄んだ水



堂倉の吊り橋のしっかりしたものになっている。
堂倉吊り橋



途中のコースも荒々しくなってくる。右岸の岸壁をえぐり整備されたコースを 「この道の整備も大変だったろうな」と感謝しながら進む。
右岸の岸壁につけられた登山道



このコースの代表的な滝の一つである”七つ釜の滝”の一部。1枚の写真には収まらない。
七つ釜の滝の一部



この谷の下降は通常2日かけて下る。途中にある「桃ノ木小屋」は古くから親しまれたこのコースの 貴重な山小屋だ。
桃の木小屋



このコースにはいくつもの大きな滝がある。それぞれ粋な名前を持っており、それらを一つ一つ確かめながら 下って行くのも楽しいものだ。
渓流の流れも次第に緩やかになる



両岸に聳える岸壁を見上げながら右に左に吊り橋を何度も渡りながらくだってゆく。 このあたりまでくれば水の流れも徐々に穏やかになり、大杉谷の見所となるコースも 終りに近い。
渓流の流れも次第に緩やかになる



今回の何度目の吊り橋だろうか・・・。かつてはこれらの吊り橋は”蔦のつる”だったが、昭和30年代 だったか、吊り橋が荷重に耐え切れず切断。数人が落下し、流されて死亡するという事故があり、今のコンクリート製 ワイヤロープ式に変わったものである。
この後、宮川ダムに下りバスで松阪に出、近鉄で帰路につく。
最後の吊り橋





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