家族登山(シリ−ズNO.6)

北アルプス薬師岳

 と き・・・・昭和62年7月26日(日)〜7月29日(水)
コ−ス・・・・神戸=富山=折立〜太郎兵衛平〜薬師岳山荘で荒天停滞〜折立へ下山〜称名の滝観光=帰神

メンバ-・・・・夫婦二人旅

登山のあらまし

7月 27日(月)曇りときどき小雨


今回の山行きはサッパリの天候であった。折立からの苦しい登りを我慢し、途中から小雨の降り出した中を登ってきたが、 台風の接近で次第に天候は悪くなる。薬師小屋に着いた頃にはすっかり荒天の兆し。夜半からは風雨も一段と激しさを増し、 荒々しい音をたてて小屋を攻めたてている様子。明日は動けそうにない。

7月 28日(火)荒天

やはり今日は荒天だ。朝食後しばらく様子をうかがってみたが変化なし。薬師岳から立山への縦走は無理としても、せめて 薬師岳の頂上往復はできないものかと行動に移してみる。小屋のあたりは雨風の当たりも強いがまだましな方だ。この先少し登ると 稜線の風雨はさらに横殴りとなり、とても進めそうにない。視界も悪い。風だけか雨だけならまだしもこれでは危険だ。登りは稜線が合流するの でなんとか頂上を目指せても、下りは稜線が枝分かれして行くことになるので、この視界ではルート判断がほとんどできないだろうと判断し途中 から引き返すこととした。
昭和45年頃だったか「愛知大学山岳部冬山合宿」のパーティ13名が薬師岳頂上からの下り尾根を見失い遭難した記憶が頭をよぎる。
山は時には瞬時に想像もしていなかったように様相を一変させる。これは夏山でも軽視できない。疲労こんぱいで動きが取れなくなれば夏山といえども 風雨に叩き付けられれば体温の低下は激しく、「人間の体温は30度をきれば意識がもうろうとなり、夏でも疲労凍死する」ことを思えば軽率な行動は 決して許されない。
今回の山行きは、神様に「ひき返す勇気」を試されたものと思い、下山することとした。

7月 29日(水)荒天

地鉄駅前の民宿で急遽一夜を過ごし、今日は「称名の滝の観光」の後帰神する。



シリーズ目次に戻る
ホームページに戻る