家族登山(シリ−ズNO.10)
登山のあらまし
8月 9日(木)曇り
今回は夏山のシーズンでも遅いほうになる8月に入って1週間以上もたってからの出発となり、天候も安定期をやゝ過ぎている。
初めてのコースとなる「雪倉〜朝日」静かなコースを目指す。
何度目かの白馬大雪渓を登り今夜は白馬山荘にお世話になろう。
高山植物もシーズンの少しのずれに現れる花もちょっと変化を見せ、ウルップソウなど秋口の花も混じり始める。残雪が少なかった分
雪渓の状態も悪い。
クレバスが大きく口を空けているところもあり、上部はかなりズタズタに割れているかもしれない。早めに雪渓から離れることになり
そうだ。約7時間の登りで白馬山荘着。気にしていた台風の動きはどうやらこちらに向かってきた様子。
夕刻ラジオの気象通報により天気図を作成してみれば「やばい!」気圧配置と台風の動きだ。
夜半から猛烈な雨風となり、中部山岳地帯のかなり近いところを通過してゆくようだ。ビュービューと降りつける激しい音を聞きながら
眠りにつく。
大雪渓の登りとウルップソウ
8月10日(金) 荒天(台風直撃)停滞
やはり今日は台風の直撃を受けることとなってしまい小屋で停滞。この暴風ではとても行動できる状況ではない。ラジオ通報によれば
静岡に上陸後まともに中部山岳方面にくる予想だ。長い長い一日となる。外気温10℃
8月11日(土)小雨のち曇り
”台風一過”の好天を期待したがどうもすっきりしない小雨模様の中を雨具を着けて5時40分に朝日小屋に向け出発。
ガスでなにも見えない白馬岳頂上を早々に通過し三国境から雪倉岳の稜線に入る。栂池へのコースとは対照的に、
こちらのコースは非常に静かだ。期待するほど天候の回復は望めそうにないが、それでもガスは少しづつ切れてきた。
次々に現れる高山植物にカメラを向けながらゆっくり進む。
雪倉岳を越し赤男岳西面の巻き道には池唐もあり、のんびりとした雰囲気の中を木道に導かれて進む。あまり高低差のないコースに余り
疲れも溜まらない。14時15分に今夜の泊まりとなる朝日小屋に到着。8時間半の行動となった。ここの小屋はなかなか感じのいい小屋だ。
雪倉岳へ向かう稜線
8月12日(日) 曇り
今日の行程は蓮華温泉まで。結構アップダウンのあるコースと思う。今日もやはりガスの中を出発。
まず朝日岳の頂上を約1時間の登りで踏み越え、八平衛平に進みこの分岐点から蓮華温泉の道に入る。
気温は下がり8℃を少し切っている。湿地帯の中につけられた木道が下り傾斜になっているところでは
良く滑り、何度か激しく尻もちをつく。かもしか坂の下りはさらにきつい下りとなり、膝への負担も大きい。
ようやく白高地沢に降り立ち河原で昼食大休止。
増水で何度も流されたと思われる不安定な細い丸木橋を一人づつ慎重に渡る。片足づつがやっと乗せられる
程度の狭い幅だが文句は言えない。これがなければ結構上流の渡渉が出来るところまでさかのぼってゆかねばならないだろう。
ここからがRつらい登りとなった。風はなくやや気温の上昇と湿気の多さで汗がやたらと出てくる。蓮華温泉までの
登りにフーフーいいながら14時20分に到着。
小屋に今夜の宿泊の手続きを済ませ、荷物を置き天然の露天温泉の下見に出かける。2人が入ればいっぱいになるくらいのもの、
それより若干広いものが道端のすぐ横にあるところ、何もない広いところにある「仙気の湯」はここの看板湯だけあって広さもかなりある。
定員10数名というところか。どこの湯も定員状態にさらに上にゆくと熱くて手もつけられないものもある。
今日は無理として明日入りにこよう。
8月13日(月) 晴れ
クルマユリと蓮華温泉天然の露天風呂の案内板
早朝に「仙気の湯」につかり満足な気持で帰路に着く。