家族登山(シリ−ズNO.11)

八が岳

 と き・・・・平成3年7月25日(木)〜7月28日(日)
コ−ス・・・・神戸=JR茅野=美濃戸口〜北沢〜赤岳鉱泉〜行者小屋〜中岳コル〜赤岳〜横岳〜硫黄岳〜夏沢峠〜根石山荘〜根石岳〜東天狗岳〜中山峠〜黒百合ヒュッテ〜奥蓼科渋の湯=茅野=帰神

メンバ-・・・・夫婦二人旅


登山のあらまし
7月 26日(金) 曇りのち雨

夜行列車で早朝に塩尻に着いたが乗り換えの小海線の始発までの1時間余りを寝不足で 頭がボーっとした状態で過ごす。茅野から相乗りタクシーをひろい美濃戸口に入る。 昭和37年(1962年)依頼のご無沙汰。実に29年ぶりの八が岳だ。北アルプスや 南アルプスに多く足を運んでいたせいにしろ、随分と疎遠にしていたものだ。都会と違い 山は昔のままで迎えてくれるのが嬉しい。柳沢北谷にコースをとり進むにつれていろいろな 花たちが迎えてくれる。まだこのあたりの花は稜線の高山植物とは異なり、背丈も大きく のびのびと育っている。稜線の花たちはこうはゆかない。
赤岳鉱泉の小屋は随分立派に改築されていた。小屋の前を通りすぎ、その先の行者小屋に 今夜の宿をお願いする。天候はよくない。天気図では日本海に低圧があるのに加え、石垣島 付近にある台風9号の影響が徐々に現れてくることだろう。
柳沢北谷で出迎えてくれたマツヨイグサ


行者小屋から望む横岳稜線の”大同心峰・小同心峰”


7月27日(土)強風・雨が降ったり止んだり 濃霧
6時半、小雨の中を買い換えた新品のゴアテックス雨具をつけて出発。大半のパーティ は赤岳への近道「文三郎尾根」へ向かうが、我々は阿弥陀岳への往復も予定に入れていたため 中岳とのコルに向かったが、濃霧で視界が悪いため阿弥陀岳の往復はカットし、コルから赤岳に 向かう。
頂上直下の鎖場を視界7〜8mの中、コースを示す白ペンの丸印をひろいながら登って行く。 上から下ってくるパーティに様子を聞いてみると「キビシイですよー」との返事に大体の様子が うかがえる。
 時 分赤岳に立ったものの、風が強く立っていてもふらつく。ガスは幾分薄くなりときどき 麓に建つ行者小屋が見えたりもする。
赤岳頂上ではかなりの強風でつかまっていないとふらつく。下に行者小屋も見え隠れしてきた


赤岳から横岳への稜線は鎖のある岩場もあり、雨で滑りやすくなってきたのでさらに慎重に進む。このあたりから 再び濃いいガスが出始め、視界がどんどん悪くなる。横岳の頂上もガスの中で通過。やせ尾根から一変し、だだっ広い 尾根になり硫黄岳が近いことを知る。しかし視界がないため進む方向を見極めるのも大変だ。ときどき磁石で方向を 確認し、大きなケルンも探しながら頂上を目指す。まともに突風を受けると吹飛ばされそうになる。大変なコースだ。 雨具のフードも少しの隙間があれば風で瞬間にめくり取られてしまう。
苦労しながら硫黄岳を通過し、土砂降りの中を夏沢峠に建つ「やまびこ荘」「こまくさ荘」に到着。軒下でしばらく雨宿り をしながら今日の宿をどこにしようかを考える。ここの小屋はなんだか陰気そうなのでさらに足を進め、根石山荘を今夜の宿に決める。
赤岳から横岳への稜線の鎖場極端に視界をさえぎる濃霧の硫黄岳頂上。ちょっと危険さえ感じる

七月28日(日)雨のち曇り 
今朝の天候はさらの風が強くなってきた。一夜を共にした他のパーティは予定のコースを変更し、退避ルートに下山することにしたらしい。 我々はここからさらに根石岳〜天狗岳〜中山峠まで進み、奥蓼科温泉へ下ることにしよう。ときどき強風の中、強風で今にもちぎれ飛びそうな コマクサの花を写真に取ろうとしゃがみこむがなかなか静止しない。まるで我慢比べでもしているような時間が過ぎる。
このあたりは風当たりも強く10数Kgのザックくらいの重しでは吹飛ばされそうだ。2人で肩を組み、背をかがめ吹飛ばされないようにしながら 進む。
広い東天狗岳頂上から視界にない中山峠への下り道を地図と磁石でしっかり確認してから下る。 中山峠から縦走路の稜線を離れるとうそのように風もあたらなくなり、森林限界からはのんびりとしたコースだ。先ほどまでの孤軍奮闘がウソの様だ。
渋の湯で一風呂浴びビールで乾杯!今回の山行きを終了する。
今回コースの終点にある奥蓼科”渋の湯”温泉



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