家族登山(シリ−ズNO.15)

京都 芦生原生林

と き・・・・平成6年5月3日(火)〜5月4日(水)
コ−ス・・・・神戸=JR京都=田歌〜芦生青少年山の家(泊)〜芦生原生林大ヨモギ谷出合い〜灰野〜 佐々里峠〜広河原=JR京都=帰神

メンバ-・・・・夫婦二人旅

登山のあらまし
5月3 日(火 ) 晴
今年のゴールデンウィークは特に遠出の計画もしていなかったので、京都の芦生原生林に出かけてみた。 ここは京都大学が国から100年間の期限付で借り、農林に関する演習林としているところ。ということはほぼ 100年前から京都大学の管理のもと自然のままに残されているところと言うことだ。京都駅前からバスを乗り継ぎかなり山奥に入る。今夜は「芦生青少年山の家」にお世話になる。
芦生原生林の手前にある村落では春の匂いがいっぱい


5月4日(水) 曇り時々晴れ
山の家からすぐに原生林の入口となる。入口に「入山者記載名簿」があり、記帳してから踏みこむ。目的記入の欄もあり「山菜採り」や「渓流釣り」等の記載も目立つ。きっといい場所なんだろう。渓流沿いに昔活躍したであろう「トロッコ軌道」が残る水平道を進んで行く。所々にかつての生活の跡と思われる壊れた小屋や石積みの場所があり、なんだかタイムスリップして当時の活況を体感してみたい気分にさせられる。樹木には管理番号らしきものが表示されたもの、ナイロンテープのようなものが巻きつけてある樹木など、演習林の息つかいがうかがわれる。
このあたりには山野草も多く見られ、ニリンソウ、チャルメルソウ、ショウジョウバカマ、イワナシ、イカリソウ、イワカガミ、黄ケマン、紫ケマン、ヤマルリソウ、ミヤマカタバミ、セリバオーレン、大葉エンレイソウ、チゴユリ、五葉オーレンなどが目を楽しませてくれる。
今は廃線となったトロッコ道


時間の制限から、往復3時間までの所と予定していた大ヨモギ谷出合いに着き昼食休憩。
ここから途中まで引き返し、渓流から離れ、熊笹の生い茂る山腹をかき分けながら登ってゆくが、所々の樹木に”引っかきキズ”のような跡があり、杉皮がはがされているところが目に付く。ガイドブックに記載されていた”熊の皮はぎ行為”のものと気付く。まだまだこのあたりは自然が残る証でもあるがなんだか気味が悪い。登山者もほとんど入らない。「ここでひょっこり大きな熊に出会ったらどうしようか」などと真剣に考えだす。ものの本によれば何か音をだしながら進めばよいというようなことがかかれていたことを思い出し、棒切れでガサガサ音をたてて熊に知らせるしぐさをしながら登って行く。背丈以上に高い熊笹が覆いかぶさる道をかき分けながら進むこと約1時間半で尾根の稜線に出てほっとする。2度目の昼食をとり佐々里峠への尾根道をたどりアスファルト道路の佐々里峠に到着。「京都府アマチュア自転車連盟」と表示された小旗をつけたサイクリング車があえぎあえぎ峠を通過して行く。どうやら今日は彼らの大会らしい。我々は同じ道を広河原バス停まで40分かけての歩きだ。
熊に皮をはぎとられた杉があちこちに



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