家族登山(シリ−ズNO.16)

加賀 白山

と き・・・・平成6年7月31日(日)〜8月3日(水)
コ−ス・・・・神戸=JR金沢=別当出合〜砂防新道〜弥陀ヶ原〜室堂〜御前峰〜大汝峰〜御前峰〜室堂〜弥陀ヶ原〜観光新道〜別当出合=白峰温泉=JR金沢=帰神

メンバ-・・・・夫婦二人旅

登山のあらまし

7月31日(日) 晴れ 

3日前の夜中に息子が強烈な腹痛を訴え、救急車で近くの救急病院へ入院。「急性胃炎 のようですが念のため1週間ほど検査入院してください」とのアクシデントに計画していた 山行きをどうしようか思案したが、「もう大丈夫」という息子のことばと、「病院へいるのだから 安心」だろうというひどい親の判断により予定どおり決行。

7月31日(日) 晴れ 
金沢から相乗り交渉が成立した登山者2名とタクシーで別当出合へ飛ばす。途中運転手が 道を間違え、ひとつ手前の沢の林道に入り約30分のロスタイムを食う。
別当出合で持参してきた「おにぎり弁当」で朝食を済ませ出発。今年は春先から雨が少なく 山の上はかなり深刻な水不足らしく、「水を補給して登ってください」と書かれた真新しい立 看板の指示に従い水筒に満タンとして登り開始。いきなり「キバナイカリソウ」「ハクサンイチゲ」 「ハクサンチドリ」など色とりどりの高山植物に迎えらる。この山は高山植物の多いところで、 しかも「ハクサン・・・」と山の名前があたまにつけられたものが多く、固有種や最初に発見された 花が多いところでも有名である。
さあ出発(別当出合登山口)


しばらく登った頃、登山道脇の斜面からちょろちょろと湧き出している「延命水」なる水場に さしかかり少し休憩し喉を潤す。先は長い。
冷たい湧き水「延命水」


森林限界を過ぎると「弥陀ヶ原」の広い台地状の尾根が目に飛び込んでくる。 花の種類も多くなり、カメラ休憩も増えてくる。「ハクサンシャジン」「ハクサンフウロ」 「ハクサントリカブト」などが目を引く。
広い弥陀ヶ原には高山植物も豊富だ


8月2日(火) 上部は激しい濃霧
3時半に起床し出発の準備を終え外に出てみる。ひどい濃霧だ。風もかなり強い。懐中電灯や ヘッドライトの光がサーチライトのように濃霧の中を交叉しているが人の姿はサッパリ見えない。 濃霧の中で声だけががやがやと騒がしい。昨夜のうちにもらっておいた朝食用の弁当をザックに 詰めてヘッドライトを点けて出発。「このぶんだと到底ご来光も望めないだろうな」などと予想しながら 登って行く。
4時45分御前峰(白山頂上2702m)着。ガス・風はさらに厳しい。セータを着込むが濃霧の水滴で たちまち濡れてくる。雨具を重ね着しさらに先の大汝峰に向かう。少しづつ明るさが漂ってきたものの このひどい濃霧では視界4〜5mくらい。手探り状態の登山だ。途中岩陰で「弁当の朝食」をとり、 暖かいお茶で身体を温める。<BR> なんとか「大汝峰」のピークに着いたがさらに視界は悪化しこれより先へ進むことは危険と判断し、 引き返すこととしたものの、今きた道さえもとうとうわからなくなる視界の悪さに少々あせり気味。 気を落ち着かせ、地図と磁石で方向を確認しながら下って行くが、このあたりは重要に登山道が 交叉しており、視界のきかない時の混乱を助長してくる。先ほど通ったところに再び戻ってしまったり し、「リングワンデリング」と呼ばれる「さまよい状態」が頭をよぎる。地図にも「このあたりは濃霧が激しく 道に迷いやすいので注意」と記されているくらいだ。なんとか手探りのさまよい状態から脱出し、朝の コースに戻ることが出来ほっとする。長居は無用と引き返し、今日のうちに下山を決定。麓の白峰温泉に 空きがとれたので今夜は温泉泊まりとし、翌日帰路に着く。
下山道のお花畑





シリーズ目次に戻る
ホームページに戻る