第30回三菱電機全社山岳大会に思う
神菱会山岳部 菅 田 忠 志


 昭和41年(1966年)に神戸 "六甲山“において、紅菱会山岳部にお世話いただき、第1回大会が開かれてから30年。さらにさかのぼれば、全社大会の前哨登山ともいえる大会が、名菱会山岳部の呼びかけで名古屋・伊丹・神戸の3場所大会として御在所岳でスタートしたのが昭和35年(1960年)、実に36年の歴史を有する登山大会に発展してきた。長きに亘り引き継がれてきた、三菱電機全場所の山仲間による交流登山の、記念すべき30回大会を各場所山岳部のご協力を得て実施することが出来、その歴史に新たな1ページを加えることが出来たことを喜びたい。
過去の大会に刻まれた行動記録や思い出は、それぞれに特長を有し、個人ではなかなか訪れることのない山域にも接することが出来たのも、この大会の意義深いところといえよう。
20年前の第10回大会(担当:紅菱会)を記念して北アルプ徳沢に植樹した白樺の苗木も、いまではちょっとした白樺並木になるまでに立派に育っている。また、最近では、海外の山への憧れも強く、第25回大会の韓国済州・ハンラ山、今回の台湾・玉山と、海外の山への足がかりも試みられた。
自分たちの実力に合った海外登山の実現に向け、思いをはせるのもまた楽しいものである。

底辺を広げ、地理的条件を越えて、毎回100名前後の山仲間が相寄り、互いの活動状況などの情報を交換しあい、技術力の向上に努めてゆく中で、山仲間としての連帯感も生まれてきた。残念ながら、過去に冬山でアクシデントを出してしまった経験のある我が部としても、そのときの捜索活動に多くの場所の山仲間にいち早く駆けつけていただけたのも、この大会を通じて生まれた連帯感や、ネットワークに帰するところが大きく、感謝している。
あってはならないことではあるが、もしも のときには心強い山仲間であることにはちがいない。
一企業内の職域山岳団体が、このように広域に、長期に登山活動をつづけているところも、そう多くはないのではなかろうか。この後、回を重ねればメンバーの構成も変わってゆくことだろうが、この大会の精神は変わることなく、意義深く継承されてゆくことを確信している。



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