菱電会山岳部 遠藤 康治
富士山より高い山に登山する事が、参加する最大の楽しみであり、また事後の満足でもあった。しかし、3千mを越える山が100座以上あるとは、自称台湾通としては大変な勉強不足であったと反省する。 長崎発かもめ2号に乗車するまでには、3者3様に、前日まで職場の上司、同僚に理解を求め、関係先には、不在中迷惑を掛けないように気遣ってきた。その甲斐あってか、福岡発キャセイ便はCクラス席に、アップグレードのおまけがついた。滑り出し好調。 小雨降る台北空港には、大阪、東京組より早く着いたようで、待ち合いロビーにそれらしき団体の姿が見えない。現地旅行社の出迎えを受け、のんびりと待つ事となった。中国語の到着案内電光掲示板を見ながら、漢字行先表示が日本と随分違うなどと、解ったような解らないような物知りぶりを発揮してリラックス。これからの戦い?に頭脳のウォーミングアップ開始。やがて一般旅行者と雰囲気の違う、それらしき団体御一行様が到着。大山以来の再会に笑顔で交歓する。 東南旅行社バス内での自己紹介もそこそこに、車内特設テーブルでは早速歓迎パーティを開き、車中、暇な時間を友好に過ごす。歌こそないが、皆さんかなり若返った様子にて、胃腸と血液も上がり調子で和気藹々。鳥龍茶の産地を抜けた高地にある、阿里山賓館酒店はさすがに涼しい。早朝の散歩では、阿里山神木付近より、山犬と思わしき太い番犬に後を着けられ、冷や汗をかくしまつ。賓館内売店の、張美英嬢に大サービスして、名産品を沢山仕入れる。ついでに、サイン入り自画像をこっそり入手する。 山岳ガイドの李毅然さんを先頭に、玉山登山が始まる。アプローチの山岳ツアー道路では、何処でも同じように、崖崩れの洗礼を受けるが、比較的手入れは良く、上東埔まで、初めて見る台湾の高峰を羨ましく、一つでよいから九州にあって欲しい、と思うのは私の身勝手でしょうか。驚いた事に、塔塔下鞍部からの登山道は大変手入れがよい。3600mの排雲山荘までの一本道を、ぶつぶつ、わいわい騒ぎながら、落伍者もなく到着。当班は食欲も衰えず、亜熱帯地方の森林に感心し、窓越しの日没ショーに拍手し、満天の星空に酔う。天の川に浮かれて、一人過酔酒したものがいたようですが、山荘での快適睡眠で回復した。 翌朝、初霜降山玉、人襲気空冷、清晨的低温、星空真暗の中を頂上目指して行進。凍結階段あり、鎖場出現、程なく、富士山より高くなったことを高度計で確認する頃、森林限界となる。夜明け前の頂上は、南国とはいえ零度付近である。太平洋上での日の出ショーとはいかないまでも、雲海上に広げられた舞台は、何度見ても素晴らしい。だから、山登りは止められない。諸君、これからもいろいろな場所の日の出を楽しもうではないか。 下山はいつも忙しいのが当班の特徴で、折角担ぎ上げた飲食物を下界に戻すのは、エネルギーの無駄遣いとの方針は曲げず、一生懸命消費に努める。 3952mの登山終了後は、再び車内特設テーブルの登場、慰労会を開き水分補給に努める旅でありました。 幹事諸兄 多謝多謝。 |