03ヨーロッパの山旅

7月18日(金)第4日目  クロイツスシュピッツェ登山の日
−−その1−−


山小屋のマルチンブッシュ・ヒュッテの朝
朝めし7時から。日本の山小屋のようには早くない。出発前に足腰や身体をほぐし、ここから一気に約1000mの標高差の登りにそなえる。(ここの標高は2501m)
7時45分。いよいよ登山の開始。昨晩合流したガイドの”ラインハルトさん”を先頭に、頂上まで続くきつい傾斜の登りをジグザグにゆっくりと登ってゆく。どうも通常の登山道よりきつい近道をたどっている感じだ。(ここの下りはちょっと厄介かなあと思っていたが、下りはやはり通常の道を下った。)
きつい2ピッチを登ると台地に出た。雪解けの水を貯めた池が2ヶ所、がらがらの台地に遠慮しがちに残っていた。
ここからは”クロイツシュピッツェ頂上(3,455m)も見えてくる。雪は完全に消えており、頂上まではまだまだ急なガラ場が続きそうだ。
背後には氷河を抱いたドロミテの山が大きく迫ってくる。
右のピークが”Similaun峰”( 3,606m)のようだ。
さらにジグザグののぼりが続き、右から大きく回りこむように登って行く。
2度目の台地ではまだ融けずに残った雪渓を進む。頂上まではここから右手に登り、稜線に出てから、尾根づたいに最後の登りがっまっていた。
11時15分頂上到着。一人ひとりガイドのラインハルトさんと握手をかわして登頂を喜ぶ。
登り4時間の予定だったが、3時間半で登ってきた。みんな元気だ。
 頂上カラ南面のイタリヤとの国境稜線(Otztaler Alpen)を眺める。地図や写真から、左の氷河が”Schajf氷河”右Mazell氷河”、右端が”Nniederjoch氷河”だろう。左”Schajf氷河”の上部がドロミテ山群、中央が”Hintere Schwarze峰(3,628m), 右が”Similaun峰”( 3,606m)と思われる。
 現地で買ってきた写真と比べてみたら、随分と氷河も後退しているようだ。雪渓とちがい、もう大きくなることはないと思うと寂しくなる。地球温暖化でますます後退のスピードも速くなるだろうから、この景色も50年もすればすっかり変わってしまっていることだろう。
地球45億年の歴史をこの100年で大きく壊してきたが、加速度的に破壊は進むとすれば、45億年の歴史はほんのまばたきする程度の数百年で廃墟と化してしまうかもしれない。
 映画”猿の惑星”の最後のシーンを思い出してしまった。


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